2020年の国民年金の積立金運用収益率はプラス9.58%に

(韓国)

ソウル発

2021年07月12日

韓国の国民年金基金運用員会は7月2日、「2020年度の国民年金の基金の運用成果に対する評価」を発表した。2020年の国民年金の積立金(注1)運用実績はプラス9.58%と確定、ベンチマーク収益率(市場平均収益率:8.59%)を0.99ポイント上回った。収益額は72兆1,000億ウォン(約7兆2,100億円、1ウォン=約0.1円)で、過去10年間では、2019年に続き2番目に高い収益を確保した(注2)。

ウォン基準の収益率は、国内株式が34.66%(ベンチマーク比:1.21ポイント増)、外国株式が10.22%(1.41ポイント増)、国内債券が1.71%(0.13ポイント増)、外国債券が0.19%(0.72ポイント増)、オルタナティブ投資が2.57%(1.00ポイント増)で、国内株式と外国株式が2020年の運用収益を牽引した。

過去3年間(2018~2020年)の年平均の運用収益率は6.54%、ベンチマーク(6.29%)比0.25ポイント増、過去5年間(2016~2020年)では年平均の運用収益率は6.31%、ベンチマーク(6.02%)比0.30ポイント増の運用実績になった。

2021年は、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した評価体系の構築、オルタナティブ投資の委託運用の改善、運用コストをそれぞれ改善していくこととした。

(注1)韓国では、国民年金の積立金を「国民年金基金」と呼ぶ。本稿では「国民年金の積立金」と記載。

(注2)2020年の国民年金保険料収入(51兆2,000億ウォン)の約1.4倍、国民年金給付額(25兆6,000億ウォン)の約2.8倍に相当する。

(当間正明)

(韓国)

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