2020年の投資、金額は前年比減も農産品加工などには新規・大型案件

(コートジボワール)

アビジャン発

2021年07月30日

コートジボワール投資促進センターの認可ベース統計(注)によると、2020年の投資件数は前年比で2件減の237件、金額は過去最大だった前年より13.4%減の約6,316億CFAフラン(約1,263億円、1CFAフラン=約0.2円)となった。件数はほぼ横ばいだったが、投資額の大幅な減少は前年の大型案件の反動減が一因だ。

2020年の対内直接投資は全般に、新型コロナウイルス感染拡大を受け不透明感が払拭(ふっしょく)されないため、新規プロジェクトの抑制や規模の縮小が目立った。一方、特定の分野では堅調な投資が続いている。多くは設備拡張・更新など再投資が中心だが、農産物食品加工、土木・建設、エネルギー、輸送の分野では新規プロジェクトや大型案件がみられた。

業種別では、政府の奨励策により現地加工の促進に取り組む農産品加工(構成比28.6%)、道路インフラ整備で需要が高まる道路輸送(21.3%)、政府が優先分野に掲げる電気・ガス(12.6%)、インフラ整備や大型公共事業の進展による建設・土木業(11.4%)、ゴム・プラスチック加工(5.4%)、鉱物資材製造(4.4%)、ホテル業(4.0%)が上位を占めた。

国別では、国内資本が投資額の52.6%を占めている。外国資本は、シンガポール(構成比8.4%)が最大で、次いでフランス(6.1%)、英国(5.7%)、カナダ(5.7%)、レバノン(5.4%)、ポルトガル(2.3%)、モナコ(2.1%)、ケイマン諸島(2.1%)、香港(1.9%)など、投資元は34カ国・地域となった。

主な案件は、ポロパワー(英国/カナダ)による太陽光発電事業(548億CFAフラン)、GCBココア・コートジボワール(シンガポール)によるカカオ加工(383億CFAフラン)、SETAF(ポルトガル)による農産品加工(148億CFAフラン)、カーギルカカオ(ケイマン諸島)によるカカオ加工(137億CFAフラン)、AHD CI(フランス)によるホテル業(137億CFAフラン)、ガルミ・セラミック・コートジボワール(香港)によるタイル製造(121億CFAフラン)、オラム(シンガポール)によるカシューナッツ加工(88億CFAフラン)などだった。

近年は、コートジボワールの新投資法に含まれる立地ゾーン別の優遇措置により、地方都市にも投資が増えている。

(注)鉱物資源・石油・ガス探査と開発、不動産、金融・保険サービス部門を除く。商業、輸送は5億CFA以上の案件のみが対象。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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