公営電力企業エレトロブラスの民営化法、大統領が裁可・施行

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年07月27日

ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領は7月13日、国内発電設備容量の3分の1を保有する公営電力企業エレトロブラス(Eletrobras)を民営化する法律14.182号/2021を裁可した。同法は同日付で交付、即日施行された。民営化により国内の発電・送電能力向上を図る。

政府は今後、同社の価値を評価する国立経済社会開発銀行(BNDES)の調査を完了させ、投資パートナーシップ・プログラム審議会(CPPI)と連邦会計監査院(TCU)の承認を得る。この手続きを経ることで、新規に発行する株式の価格と数が決定される。それを受け、エレトロブラスは2022年2月末までに、新規株式を発行(注1)する。6月22日付現地紙「エスタード」によると、新株発行により政府の株式保有比率は60%から45%程度に下がる見込み。ただ、政府はエレトロブラスの重要な決定事項についての拒否権「ゴールデン・シェア」を引き続き有する。

ベント・アルブケルケ鉱山エネルギー相は「エレトロブラスはエネルギーの発電・商用化・送電を民営化(注2)することで再生可能エネルギー発電企業として世界の5本の指に入ることになるだろう」と期待を寄せている。さらに同省は、民営化で競争原理が働くことにより、エネルギー消費にかかる税率を5~7%削減すると推計し、消費者である国民への利点を示した。

なお、連邦政府が提出した法案は議会が修正し、また、ボルソナーロ大統領も幾つかの条項について部分的な拒否権を行使して裁可した。解雇された従業員がエレトロブラスの株式を割引価格で取得可能にする条項は調達資金の目減りを理由に、エレトロブラスの子会社の廃止などを禁ずる条項は公益に反することを理由にしている。

同法施行により、「小さい政府」を目指すボルソナーロ政権の民営化への取り組みは一歩前進した。

(注1)6月22日付の経済省公式サイトによると、同法で資金調達できる金額を合計1,000億レアル(約2兆1,000億円、1レアル=約21円)程度と見込んでいる。同日付の現地紙「エスタード」によると、内訳は初回発行で200億レアル、それ以降の発行で800億レアル。

(注2)エレトロブラス公式サイトによると、ここで述べられている商用化は電力の販売を指すとみられる。

(古木勇生、エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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