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ライフサイエンス分野の政策目標を発表、資金供給などを強化

(英国)

ロンドン発

2021年07月20日

英国政府は7月6日、ライフサイエンス分野での今後10年間の政策目標を示した「ライフサイエンス・ビジョン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。英国政府の同日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同ビジョンでは、ライフサイエンス産業が成長し、患者や国営医療サービス(NHS)が真の利益を得られる環境を構築すべく、政府や産業界、国営医療サービス(NHS)、企業、学術機関、医療研究慈善団体などに対し、7つの使命を提示。認知症治療の研究ペース加速やワクチン開発などにおける同国地位の維持など、内容は多岐にわたる(添付資料表参照)。

ライフサイエンス・ビジョンは、同分野でのビジネス環境の整備にも言及しており、資金へのアクセス、規制、スキル、製造、貿易・投資の重点5項目について、競争力強化のため、政府と業界が共同で取り組む施策などを示している。例えば、長期的な資金アクセスの課題として、ライフサイエンス分野での資金調達は一般的にベンチャーキャピタル(VC)ファンドや証券市場から行われるが、その多くを海外、特に米国からの投資に依存しているため、英国から米国への事業移転が進むリスクがある。

対策として、政府は前述のプレスリリースで、政府の拠出により2億ポンド(約306億円、1ポンド=約153円)の基金「ライフサイエンス投資プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げたことを発表した。これに先立つ3月には、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系投資会社ムバダラ・インベストメントと「ソブリン投資パートナーシップ(SIP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を締結。同社が向こう5年間で8億ポンドを英国のライフサイエンス分野に投資することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。両者による10億ポンドの投資に加え、政府は機関投資家や年金基金などからも資金を呼び込むべく、調整を進めている。

新型コロナワクチン政策を成功モデルに

「新型コロナ禍」において、英国のライフサイエンス分野は大きな存在感を示した。特にワクチン開発では、2020年4月に政府・学界・産業界の代表者などから構成される政府主導の「ワクチン・タスクフォース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げ、同タスクフォースが新型コロナワクチンの開発・生産および流通を支援したことが、現在の同国における高いワクチン普及率や感染抑制に大きく寄与している。ボリス・ジョンソン首相は「ライフサイエンス・ビジョン」の序言の中で、官民学のシームレスな連携を促進し、政府の投資や民間部門からの投資を促進したワクチン・タスクフォースを成功事例として、がんや認知症、肥満など他の疾病に対しても同様に取り組むこととし、英国をライフサイエンス分野の世界的はハブとすることで科学超大国としての地位を取り戻したいとした。

(尾崎翔太)

(英国)

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