2021年上半期の新車販売台数、前年同期から大幅に回復

(チリ)

サンティアゴ発

2021年07月08日

チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、2021年上半期の新車販売台数は前年同期比74.1%増の17万8,856台で、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年(2021年1月14日記事参照)から一転、大幅に回復した。6月単月では、前年同月比で約4倍となる3万5,499台と、2021年に入り最大の販売台数を記録した。ANACは、新型コロナウイルス感染拡大による移動制限の影響が前年同期と比べて少なかったことや、「新型コロナ禍」で延期されていた新車購入がこの時期に集中して行われたこと、中小企業や配送サービス事業者による車両の需要が増加したことを主な要因として挙げている。

上半期の新車販売台数をブランド別にみると、トップ3はシボレー(シェア:10.9%)、現代(6.9%)、日産(6.8%)の順で、トップ15のブランド全てで前年同期比2桁以上の伸び率を記録した(添付資料表1参照)。中でも、中国のチェリーは、スポーツ用多目的車(SUV)の販売が前年同期比5.4倍に増加した結果、上半期のSUVの販売シェアトップとなり、全体の売り上げも4.4倍だった。中国のマクサスは、ピックアップトラック「T60」の好調な売れ行きにより、前年同期比4.2倍に増加している。

タイプ別にみると、乗用車は前年同期比51.2%増の5万4,182台だった(添付資料表2参照)。国内で人気が高いSUVは、同99.5%増の7万3,926台で、新車販売全体の約4割を占めた。モデル別SUVの販売トップ3は、MGの「MG ZS(6,376台)」、チェリーの「TIGGO 2(5,471台)」、シボレーの「GROOVE(3,023台)」で、中国メーカーのモデルがトップ2を占めた。

ANACは、国内の消費活動の回復や経済の再活性化を考慮し、2021年の新車販売台数は、38万台になると見通している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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