タイ政府が新たな規制強化策を公表
(タイ)
バンコク発
2021年07月20日
タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は7月17日、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第28号)を公表、18日付の官報で公示し20日に発効した。政府は、規制強化の理由について、感染拡大が深刻さを増し、特にバンコクとその周辺地域における医療体制の逼迫、変異株による感染例の増加を挙げ、さらなる規制・行動制限の強化が必要だとしている。規制対象の期間は少なくとも14日間。
決定第28号の主なポイントは以下のとおり。
1.管理区域の再指定:特に感染拡大が懸念される13都県(バンコク、チャチュンサオ、チョンブリ、アユタヤ、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニー、サムットプラカーン、サムットサコン、ナラティワート、パッタニー、ヤラー、ソンクラー)を厳格最高管理区域(ダークレッドゾーン)に再指定。
2.不要不急の外出の自粛要請:厳格最高管理区域の居住者に、日中における不要不急の外出の自粛を求める(生活必需品、食品、医薬品の購入など必要最低限の行動は除く。厳格な感染防止措置を講じることが条件)。
3.夜間外出の禁止:厳格最高管理区域の居住者は、夜間(午後9時から翌日午前4時まで)の外出を禁止(医療関係者、輸送事業者、公共サービス従事者など一部の者を除く)。
4.県境移動の制限:厳格最高管理区域からの県境移動者に対し、越境ルートにチェックポイントを設置、監視を強化する。
5.公共交通機関の制限:乗客数を定員の半分に制限し運行する(21日から開始)。
6.厳格最高管理区域における規制強化
- 飲食物を販売する施設は、午後8時まで、持ち帰りのみ営業可。
- 百貨店やショッピングモールなどは閉鎖。ただし、施設内の医薬品販売店、スーパーマーケット、ワクチン接種会場のみ、午後8時まで営業可。
- ホテルの営業は可。ただし、会議、セミナー、宴会などの開催は自粛する。
- 病院、診療所、工場、銀行、フードデリバリーなどの業種については、必要に応じて、厳格な感染防止措置を講じた上で営業・運営する。
- コンビニエンスストアは午後8時まで営業可。午後8時から翌日午前4時まで営業不可。
7.感染の拡大を助長する活動の禁止:厳格最高管理区域において、原則5人を超える集会の禁止。
8.勤務施設外での勤務を要請:政府機関および民間事業者に対し、勤務先以外での勤務の徹底を求める。
(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)
(タイ)
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