各国で新型コロナ禍からの経済的回復を実感、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2021年07月28日

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは7月21日、各国での経済的回復などに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、各国で新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くものの、2021年には経済的回復を実感する割合が高まっている。2020年との比較で経済状況を肯定的に捉える割合が高まったのは、オーストラリア(前年比38ポイント増、2020年36%、2021年74%)、英国(23ポイント増、21%、44%)、スウェーデン(18ポイント増、68%、86%)、ベルギー(15ポイント増、32%、47%)、韓国(12ポイント増、16%、28%)、カナダ(11ポイント増、38%、49%)だった。日本は5ポイント上昇した(2020年13%、2021年18%)。

一方、米国(1ポイント減、2020年30%、2021年29%)やスペイン(2ポイント減、15%、13%)では、経済状況を肯定的に捉える割合が低下した。

次世代への経済的状況を懸念

現在の子供たちが社会に出るころ(次世代)に経済的状況が悪化するとの予想で、2019年の調査時と比較してより懸念が高まったのは、イタリア(11ポイント増、2019年61%、2021年72%)、米国(8ポイント増、60%、68%)、ドイツ(8ポイント増、42%、50%)、韓国(6ポイント増、54%、60%)、ギリシャ(5ポイント増、61%、66%)などだった。

米国では、支持政党による見方の違いが鮮明だ。次世代で経済的状況が悪化すると回答した割合が高かったのは、保守派の民主党支持者で42%、2020年の34%から8ポイント上昇した。対照的に、次世代で経済状況が悪化するとする割合が下がったのは、保守派の共和党支持者で2020年の63%から今回23%と、40ポイント低下した(注2)。

また、自国政府の新型コロナウイルス対策が悪かったと回答した人の方が、良かったとした人よりも、次世代で経済状況が悪化すると回答する割合が高かった。カナダでは、対策が悪かったとした人の84%が次世代で経済状況が悪化すると回答し、日本(84%)、ギリシャ(83%)、フランス(81%)、韓国(79%)、英国(79%)、スペイン(78%)、イタリア(78%)でその割合が高かった。

(注1)実施時期は3月12日~5月26日。対象者はカナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾の成人1万6,254人。米国では実施時期が2月1~7日、対象者は成人2,596人。

(注2)リベラル派の民主党支持者は、2020年の24%から2021年の29%に上昇。リベラル派の共和党支持者は、2020年の47%から2021年の29%に低下。

(松岡智恵子)

(米国)

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