新型コロナ感染がピーク続く、ワクチン接種は増加へ

(スリランカ)

コロンボ発

2021年06月16日

スリランカでは、4月中旬のシンハラ・タミル正月(注)を機に発生した大規模な新型コロナウイルスのクラスター感染が、6月に入っても収束せず、感染がピークを迎えている。政府は感染を抑え込む目的で、5月21日以降、実質的な外出制限といえる移動制限(Travel Restriction)を発令している。当初、5月25日までとしていた期限をその後、6月7日まで、6月14日まで、さらに6月21日までと、さみだれ式に移動制限を延長している。

保健省の統計によると、市中感染者累計は6月14日時点で22万3,000人を超え、最近1週間で1日当たりの感染者は2,000人台~3,000人台の間で推移している。6月8日には新型コロナウイルス感染による1日当たりの死者数が54人と、新型コロナウイルス関連統計を取り出して以降、最も高い数値となった。

3月から4月にかけてワクチン不足により滞っていたワクチン接種は、5月以降に再開され、接種者数は増えている。6月2週目時点で1回目接種者は200万人を超えた。一方、2回目接種を完了した人数は35万人強で全国民の2%にとどまっている。ワクチンの種別では、アストラゼネカ製の接種が最多となっている(添付資料表参照)

調達済み分のワクチンはほぼ使い切り、今後、接種を進めるにはワクチンの着実な確保が必要となる。政府は日本政府ともワクチン提供に関して協議し、60万回分のアストラゼネカ製ワクチンを要請している。

(注)仏教、ヒンドゥー教、占星術など融合されたかたちで祝うスリランカ独特の正月。4月14日が元旦となり、通例、家族・親戚が一堂に会す機会が増える。

(糸長真知)

(スリランカ)

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