首都リマ含む12州の感染警戒レベルを緩和、デルタ型変異株発生のアレキパ州は州内外移動を制限

(ペルー)

リマ発

2021年06月22日

ペルーのビオレタ・ベルムデス首相は6月16日の記者会見で、6月末を期限とする緊急事態宣言をさらに31日間延長することを発表した。ベルムデス首相は、直近10週間で感染者数が減少し続けていることに触れ、死者数についても7週連続で減少傾向にあると発表した。ワクチンについては、接種者数が560万人を超え、直近5日間の接種人数も60万人を超えており、今後も迅速に対応していくことを強調した。ただし、ペルー初のデルタ(インド)型変異株の新型コロナウイルス感染者が発見された南部アレキパ州の例を挙げ、引き続き徹底した感染予防策を講じる必要があると国民に呼び掛けた。

また、6月18日に公布された大統領令第123-2021-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、7月11日までの新たな地域別の感染警戒レベルが定められた。6月21日以降の地域別感染警戒レベルについては、最も低い「中級警戒レベル」の対象地域が2州(12県)に増え、首都リマを含む12州(99県)とカジャオ特別区が前回の「最上級警戒レベル」から1つ下の「上級警戒レベル」に緩和された。さらに、最も規制が厳しい「極限警戒レベル」も前回の19県から9県に減少している。規制内容については、首都リマにおける夜間強制外出禁止令(戒厳令)の開始時刻が前回の午後9時から午後11時になり2時間短縮された。また、新たに企業によるイベントの開催について規定され、屋外イベントについては収容人数制限を設けないことが明示された。一方で、強い感染力を有するデルタ型変異株が見つかったアレキパ州に関しては、同州への空路および陸路による移動が15日間禁止された。自家用車の利用についても、同州外や州内の県をまたぐ移動を同期間中禁止する措置が取られた(その他規制内容については添付資料表参照)。

アレキパ州の状況についてオスカル・ウガルテ保健相は、同州において2件目のデルタ型変異株感染が確認されたとしながら、同変異株が第3波の始まりではないかという憶測について、現時点では根拠がないとして否定。国立保健研究所(INS)の調査では、現時点でペルーにおいて確認されている新型コロナウイルスはアレキパ州を含めて、依然としてC37型〔世界保健機関(WHO)分類上「ラムダ」変異株〕の変異株が9割以上を占めているとコメントした。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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