地域圏・県議会選挙第1回投票、政権与党は劣勢
(フランス)
パリ発
2021年06月23日
フランスでは6月20日、地域圏・県議会選挙の第1回投票が行われた。内務省の同日午後5時点の発表によると、投票率は26.72%となり、2015年の前回の地域圏議会選挙の投票率の43.01%を大きく下回った。
国政選挙に比べ地域圏・県議会選挙に対する国民の関心が低いことに加え、屋外でのマスク着用や夜間外出禁止措置が解除された最初の週末だったこともあり、若者を中心に有権者の足が投票所から遠のいた。
選挙結果は、総じて現職有利の展開となった。本土12の地域圏のうち6の地域圏で右派の共和党系、5の地域圏で左派の社会党系の現職がトップとなった。地域圏における現行の政策運営を、有権者の多くが支持しているものとみえる。
地方に支持基盤を持たないエマニュエル・マクロン大統領の与党・共和国前進は、予想以上の不振に終わった。イル・ド・フランス地域圏、オー・ド・フランス地域圏では現職閣僚を動員し支持率獲得を狙ったが、得票率はそれぞれ11.76%(4位)、9.14%(4位)と振るわなかった。
マリーヌ・ルペン党首が率いる急進右派の国民連合は、プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏で共和党の現職を抑えてトップとなったが、その他の地域圏では総じて伸び悩んだ。伝統的に強い支持基盤を持つオー・ド・フランス地域圏では、現職の保守グザビエ・ベルトラン議長に大きく差をつけられた。ルペン党首は同日夜、6月27日行われる決選投票に向け支持者に大規模な動員を呼び掛けた。
6月20日付の「ル・フィガロ」紙によれば、各政党の得票率(推計)は共和党が29.3%、国民連合が19.1%、社会党が16.5%、さらに2020年の市町村議会選挙(2020年6月30日記事参照)で躍進した左派のヨーロッパ・エコロジー・緑の党(EELV)が13.2%で、共和国前進は10.9%と5位に終わった。EELVは、オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏で共和党に次いで2位となるなど健闘した。
(山崎あき)
(フランス)
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