第1四半期の実質GDP成長率は前期比2.0%

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年06月14日

ハンガリー中央統計局(KSH)の6月1日の発表によると、2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比で2.0%、前年同期比でマイナス2.1%となった(添付資料表1参照)。5月18日に発表された速報値の1.9%、マイナス2.3%と比べ、それぞれ0.1ポイント、0.2ポイントの上方修正となった。

需要項目別にみると、家計最終消費支出は前期比1.3%増だった。2020年11月以降、半年間に及んだ夜間の外出禁止や店舗の夜間営業禁止、国内旅行の禁止など一連の行動制限による影響があったものの、2021年第1四半期のGDP成長率は前期より0.8ポイントの低下にとどまり、プラス成長を維持した。政府最終消費支出は各種景気刺激策を講ずる中で前期比2.6%増、総固定資本形成は0.6%減となった。外需では輸出が1.6%増、輸入も0.8%増で、貿易黒字は6,690億フォリント(約2,542億円、1フォリント=約0.38円)だった。

産業別にみると、鉱工業部門で前期比3.1%増、中でも製造業においては4.1%増となった(添付資料表2参照)。電子部品の増加が寄与したとみられる。また、サービス分野は2.2%増だった。そのうち、卸・小売、宿泊サービス・レストランと芸術・娯楽は前期から引き続きマイナス成長となった。2020年9月以降、外国人観光客が入国できなくなったことに加えて、11月から始まった行動制限措置による影響とみられる。

今回の発表を受けて、アナリストは2021年の成長率予測をこれまでの約4%から5~6%へと上方修正している(「ポートフォリオ」2021年6月1日)。また、各国際機関でも相次いで上方修正が行われている(添付資料表3参照)。

第1四半期の良好な結果について、バルガ・ミハーイ財務相は「適切な経済保護措置を講じたおかげで、第1四半期のハンガリー経済は感染拡大に耐え、引き続き成長することができた。今後数四半期は非常に高い成長率が期待される」と、ジョイントベンチャー協会の年次会合でコメントしている。また、「経済再開のために、2021年と2022年は財政支援政策を継続する必要があるが、政府は財政規模と公的債務を縮小する方向に戻す予定だ」と付け加えた。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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