中銀、政策金利を据え置き、2021年と2022年の経済見通しは下方修正

(タイ)

バンコク発

2021年06月24日

タイ中央銀行(BOT)は6月23日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(全会一致)。政策金利の据え置きは9会合連続となった。

BOTの発表によると、タイ経済は新型コロナウイルス感染第3波の影響を受け、経済の回復が当初の想定よりも遅れているとともに、今後も下振れリスクが高いとの見解を示し、政策金利の維持を決定した。今後も同政策を継続し、経済を下支えする。

さらに、BOTは2021年と2022年の経済見通しを下方修正した。2021年のGDP成長率予測を2021年3月時点での3.0%から1.8%に、2022年のGDP成長率予測を4.7%から3.9%に、それぞれ下方修正した。その要因は、感染第3波の影響から、外国人観光客数が減少し、内需が抑制されることなどによるもの。

金融政策委員会は今後の見通しについて、ワクチンの調達と流通を加速させることが感染拡大を抑制につながり、政府の財政措置が景気回復を推進する上で極めて重要な役割を果たすとした。また、財政支援措置の実行を加速する必要があるとし、財政支援措置の継続と政府機関における政策調整・連携が景気回復の重要なポイントだとした。

なお、BOTは、必要に応じたさらなる緩和的措置の可能性についても言及した。

(岡本泰)

(タイ)

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