ザクセン・アンハルト州議会選、与党CDU大勝、緑の党は伸び悩む

(ドイツ)

ベルリン発

2021年06月09日

ドイツ北東部のザクセン・アンハルト州で6月6日、州議会選挙が行われた。州議会最大与党で中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は予想を上回る得票率で他党を引き離し、第1党を維持した。一方で、旧東ドイツ地域を地盤とする第2党の極右「ドイツのための選択肢(AfD)」は得票率を下げた。

得票率を政党別にみると、CDUは37.1%(速報値、以下同じ)と、前回選挙(2016年)の29.8%から7.3ポイント増と大躍進した。一方、連立与党の環境政党の緑の党は5.9%で前回から0.7ポイント増となったが、9月の連邦議会選挙に向けて20%超を維持する全国レベルの支持率と比べてザクセン・アンハルト州では苦戦した。同じく連立与党の社会民主党(SPD)は8.4%(2.2ポイント減)だった。第2党のAfDは20.9%(3.4ポイント減)、左派党(Linke)は11.0%(5.3ポイント減)と、いずれも振るわなかった。

前回の州選挙後は、CDU・SPD・緑の党の3党連立政権になった。報道によると、連立の組み合わせには、現在の3党連立のほか、CDU・自由民主党(FDP)・SPDや、CDU・FDP・緑の党、CDU・SPDの2党連立などの可能性があるという(「ディ・ベルト」紙6月7日)。

州首相には、CDUの現職ライナー・ハーゼロフ氏が続投する見通しだ。ハーゼロフ州首相は「私自身とこれまでの施策や、私が人として貢献すべきこと、私が支持していること、これらが人々に認知され、その信頼性が結果につながった」とコメントした。

北ドイツ放送(ARD)はザクセン・アンハルト州の有権者を対象として、投票前日と当日に実施した調査を基に選挙結果を分析した。CDUが大勝した要因として、ハーゼロフ州首相の手腕に対する高評価と、経済、雇用、新型コロナウイルス対策などのCDUの課題解決能力への信頼の高さによるものと考察した。他方で、全国的に支持を伸ばしている緑の党が同州で得票率が伸ばせなかった理由として、同州はドイツ有数の褐炭地帯であることから、緑の党が政策の主軸とする環境問題には関心が低く、また、緑の党の環境保護政策は行き過ぎと評価していることが挙げられた。

(ヴェンケ・リンダート)

(ドイツ)

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