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遺伝子組み換え小麦をめぐりアルゼンチンの定番菓子企業に逆風

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年06月03日

アルゼンチンの農業バイオテクノロジー企業、ビオセレス・クロップ・ソリューション(以下、ビオセレス)は5月10日、「アバナ(Havanna)を通じて、遺伝子組み換え小麦であるHB4小麦を使用した菓子をアルゼンチン、ブラジルの顧客に提供する」と発表した。しかし、一部の農業者団体、環境保護活動家、消費者がこの発表に反発し、アバナを批判する声を上げた。アバナはアルゼンチンの菓子製造メーカーで、同国に加えて南米7カ国、米国やスペインで300店舗以上のコーヒーショップも展開している。アルゼンチンの定番菓子「アルファホール」でよく知られる。

報道によると、小規模農業者団体や環境保護活動家が中心となり、アバナがビオセレスとの事業を進めないよう求めるキャンペーン「#ChauHavanna(アバナさようなら)」が、SNSなどを通じて行われた。アバナは声明を発表していないが、メディアからの質問に対して「当社が開発する製品にビオセレスはまだ関与していない。今回の契約は初期段階にあり、両社の開発チームは打ち合わせさえしていない。当社の方針として、まず顧客や消費者とともに開発された製品のテストを行い、その製品に必要な情報はあらゆる手段で報告される」と回答。HB4小麦を使用した菓子の商業化には、ひとまず慎重な姿勢を示した。

HB4小麦は、ビオセレスと、アルゼンチンの国家科学技術研究会議(CONICET)、国立リトラル大学が共同開発したもので、乾燥への耐性と除草剤であるグルホシネート・アンモニウムへの耐性の2つの特徴を持つ小麦とされている。小規模農業者団体や環境保護活動家は、毒性が強いグルホシネート・アンモニウムの散布が増え、動植物に影響を与えることを懸念したと報じられている。2020年10月にアルゼンチン農牧漁業省が、HB4小麦およびHB4小麦と非遺伝子組み換え小麦との交配から得られる種子、製品、副産物の商業化を許可したことは大きな話題になったが、ブラジルがHB4小麦の輸入を許可するまで商業化を控えることも同時に定められており、現時点ではアルゼンチンにおいても商業化されていない。

しかし、2021年5月には、アルゼンチンのダニエル・シオリ駐ブラジル大使の「(ブラジルとの)交渉は進んでいる」との発言が報じられている。また、米国ナスダックに上場するビオセレスの株価が大きく上昇するなど、HB4小麦への期待は高まっている。

(山木シルビア、西澤裕介)

(アルゼンチン)

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