自動運転車による無人搬送を新型コロナ感染抑止対策に活用

(中国)

広州発

2021年06月18日

中国・広東省広州市では、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、市内の一部地域を封鎖して住民の移動を制限している。封鎖地域には約18万人が暮らしているため、自動運転のトラックやバスによる無人搬送を活用する動きがみられる。

6月9日の広州市政府記者会見によると、6月8日までに、23台の自動運転車、13台の無人配送車で64.2トンの物資が封鎖地域に運び込まれ、約1,000回の無人配送を実施した。封鎖域内から無人配送の注文を受けると、封鎖域外で食糧や医薬物資などを自動運転車や無人配送車に乗せ、封鎖域内の指定場所まで運ぶ仕組みだ。

この取り組みには、百度(Baidu)や京東(JD.com)などのほかに、地元スタートアップ企業の文遠知行(WeRide)や小馬智行(Pony.ai)が参加している。WeRideは、人を乗せる自動運転バスとRoboTaxi(自動運転タクシー)を提供し、封鎖地域内外の物資の運搬に利用されている。

Pony.aiは、トヨタから4億ドルの出資を受け、2020年4月から米国カリフォルニア州でEC(電子商取引)企業の米国Yamibuyと組み、自動運転車を使った配送サービスを展開している。同社は、今後、自動運転タクシーだけでなく、自動運転技術をトラックに活用することで、より大きな輸送ニーズ対応する方針を示している。

写真 防疫物資を自動運転バスに搬入(WeRide提供)

防疫物資を自動運転バスに搬入(WeRide提供)

(盧真)

(中国)

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