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米連邦最高裁、共和党側のオバマケア無効化要求を却下、制度存続へ

(米国)

ニューヨーク発

2021年06月23日

米国連邦最高裁は6月17日、米国民の医療保険加入を拡大するためにオバマ政権が推進した医療保険制度改革法(ACA、通称:オバマケア、注)の無効化を求める共和党の訴えを却下し、オバマケアを継続させる判決を出した。オバマケアが成立した2010年以降これまで、共和党側が議会で繰り返し撤廃を試みているが、廃止には至っていない。また、最高裁がオバマケアの存続を支持したのは今回で3度目となる。

今回の訴えはテキサス州を含む18州と2個人が起こしたもの。オバマケアでは、2017年の改正で医療保険未加入者への罰金を廃止したが、テキサス州などの原告側は、医療保険未加入者への罰則がない状態で加入を義務付けることは違憲とし、この部分のみを同法から分離することも不可能なことから、同法全体が無効と主張していた。しかし、最高裁はテキサス州などに原告としての適格性が欠けると判断し、7対2でオバマケアの存続を支持した(「ザ・テキサス・トリビューン」紙電子版6月17日)。

判決を受け、バイデン大統領は同日の声明で「今日の連邦最高裁の判決は、この革新的で人生を変える法律の恩恵を受けている全ての米国市民にとって大きな勝利だ」「今こそ前進し、この画期的な法律をさらに発展させなければならない」と述べ、今後もより多くの国民がオバマケアを活用して保険に加入するよう呼び掛けた。

一方で、訴訟を主導したテキサス州のケン・パクストン司法長官(共和党)は今回の判決を批判し、「政府が市民を誤った方向に導き、医療保険の大規模な乗っ取りを可決し、最高裁の審査を経ても存続することが許されるならば、これは連邦主義と小さな政府にとって破滅を意味する」とツイートし、今後も同法の無効を主張し続ける姿勢を示した。

保健福祉省によると、オバマケアを通じて医療保険に加入している米国民は過去最多の3,100万人に達している。そのうち、当時のオバマ政権が開設した公的医療保険仲介サービス(マーケットプレース)を通じて保険に加入者した人数は2021年2月時点で1,130万人に上ったほか、低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」の新規加入者数は1,480万人(2020年12月時点)となり、オバマケアを通じて多くの市民が医療保険への加入を後押しされていると考えられる。

(注)同法では、従業員50人以上の企業に対し、従業員への医療保険の提供を義務付けている。

(樫葉さくら)

(米国)

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