米ラスベガスのコンベンションセンターで大型展示会が約15カ月ぶりに再開

(米国)

ロサンゼルス発

2021年06月15日

「新型コロナ禍」で2020年3月から閉鎖されていた米国ラスベガスのコンベンションセンターが6月8日、約15カ月ぶりに再開した。第1弾イベントとして、コンクリート関連機械や重機、建材などを扱う米国で最大規模の展示会「ワールド・オブ・コンクリート(World of Concrete)」が8日から10日まで開催された。例年は約1,500社が参加し、6万人の来場者が訪れる大規模な展示会だ。今回、会場は屋内外のスペースを広く活用し、通路を一方通行にするなど、物理的な距離の確保を図ったほか、マスク着用の推奨や紙の名刺を交換せずにデジタルツールで代用するなどの対応を呼びかけた。

同コンベンションセンターでは2018年から10億ドルを投じ、新たに西館の建設を進めていた。再開当日は西館のオープニング式典も同時開催し、スティーブ・シソラック州知事やラスベガス市長、地元議員などがテープカットを行って新施設の開業を祝った。新設施設は3階建てで、その1階が約5万5,741平方メートルの展示スペース、2階、3階には80室の会議室が入る大型のスペースを設けている。

また、地下では、イーロン・マスク氏が開発した交通システム「ラスベガス・コンベンションセンター・ループ」の運行が今回のコンベンションセンター再開と同時に始まった。西館から南館までの2.7キロのトンネル内を電気自動車メーカーのテスラの車両で移動する独自の交通システムで、片道最大1時間に4,400人の移動を可能としている。コンベンションセンターの端から端までの移動に徒歩では45分かかるが、車両の利用により2分での移動が可能になるとしている。コンベンションセンターによると、現時点では展示会の参加者に無料で乗車サービスを提供しており、事前の予約も必要ない。

コンベンションセンターでは今後も、アパレルの国際見本市「マジック」(8月)や家電・技術見本市「CES 2022」(2022年1月)などが予定されている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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