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科学技術の活用方針策定に向け、首相直轄の体制新設

(英国)

ロンドン発

2021年06月23日

英国のボリス・ジョンソン首相は6月21日、首相直轄の科学技術協議会(National Science and Technology Council)を新設することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たな協議会は深刻な社会課題の解決や人々の生活を豊かにするための科学技術の活用方針の策定を目的とし、ジョンソン首相が議長を務める。

また、英国政府の首席科学顧問(GCSA)のパトリック・バランス博士が内閣府に新設する科学技術局(Office for Science and Technology Strategy)トップに就任する。同博士は今回新設される国家技術顧問も兼務する。

政府は同協議会と協働して、成果を上げている新型コロナウイルスワクチン政策の手法を、ネットゼロ達成に向けた技術開発や、がん治療、国内外で生活する国民の安全維持などに生かす考え。ジョンソン首相は協議会について「正しい方針、進度、支援の下、英国と世界の人々の生活を変革するような、より多くの科学技術を生み出すことを可能にし、国際的な『サイエンス超大国』としての英国の地位を確固たるものとする」と述べた。

科学技術局ではまず、英国の戦略的優位性を構築するために政府として支援あるいは優先すべきテクノロジーの選定に取り掛かる。同局はまた、同協議会と国家技術顧問による科学技術戦略の推進を支援し、科学技術を英国の政策と公共サービスの中心とするために政府と一丸となって取り組むとしている。

また、ジョンソン首相は、協議会新設に関する6月21日付「テレグラフ」紙への寄稿外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、国の優先事項を支持しているという自信を市場参加者に与えることで、民間部門からの投資を奨励できるとした。政府は、ハイリスク・ハイリターンな研究開発への投資を支援する高度研究発明庁(Advanced Research & Invention Agency:ARIA)の新設に向けた議会手続き中で、8億ポンド(約1,240億円、1ポンド=約155円)の予算を確保している。新設した科学技術協議会が策定する戦略を基にARIAを通じて投資を進めることで民間投資も促し、サイバー、宇宙、人工知能(AI)関連分野などのまだ開拓されていない未知の領域での研究開発を進める狙い。

政府は今後の産業政策の重点分野を示した「より良い復興:成長のための計画(Build Back Better)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2021年3月公表)でも、2027年までにGDPの2.4%に相当する研究開発投資額(民間と公共の投資総額)を生むという政府目標に向かって発展を推進するとしており、ジョンソン首相が目指す官民一体となった投資の促進は、この目標の実現に向けた具体策の1つとなる。

(大倉優里)

(英国)

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