科学技術情報通信部、2021年上半期の優秀企業研究所を選定

(韓国)

ソウル発

2021年06月30日

韓国科学技術情報通信部は6月21日、2021年度上半期の優秀企業研究所(注1)の募集・審査の結果、29の企業研究所を選定した。

優秀企業研究所の選定制度は「基礎研究振興と技術開発支援に関する法律」に基づき、技術革新力に優れ、技術の事業化を通じた成果が優秀な企業研究所を選定、企業の研究開発を牽引するモデルに育成することを目的とする。選定された場合、金融委員会が指定する革新企業1,000社との連携支援や、国が実施する研究開発事業の選定の際にも加点優遇などの恩典を享受できる。今回指定された29の優秀企業研究所の内訳は、製造業分野で19カ所、サービス分野で10カ所(注2)。

製造分野で選定された企業研究所では、バテックが1回のコンピュータ断層撮影(CT)で、2次元画像と3次元画像を同時に生成する技術を開発した。これにより、歯科医療の際、患者の放射線被ばく量の低減が可能となり、歯科医療機器の技術水準を高めることに成功した。セニジェン技術研究所は、次世代の食中毒微生物の診断と殺菌技術に関する食品安全技術の統合プラットフォームを確立し、韓国の食品産業の発展に貢献した。

サービス業分野では、ワイバイオロジックスが、約1,000億種の抗体データをライブラリー化と、二重特異性抗体技術の開発により、免疫抗がん剤をはじめとする抗体医薬の開発を牽引していることが評価された。デジキャップは、次世代地上放送での超高画質放送の送受信ソフトウエア技術を保有し、米国の主要放送局に提供するなど、顕著な成果が認められた。

科学技術情報通信部のクォン・ソクミン科学技術雇用革新官は、2021年度下半期の選定に関し、「気候変動に対応する技術革新のため、カーボンニュートラル分野の優秀企業研究所を追加する計画だ」と明らかにした。

(注1)対象は中小・中堅企業。

(注2)内訳は、電子製品7カ所、一般機械・自動化/輸送機械4カ所、環境・エネルギー1カ所、医薬・バイオ・飲食料7カ所、出版・映像・放送通信および情報サービス4カ所、専門・科学および技術サービス6カ所。

(当間正明)

(韓国)

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