メルコスール共通の電子商取引ルールを導入

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2021年06月08日

メルコスールに加盟するアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイは4月29日、4カ国共通の電子商取引(EC)に係るルールを導入することで合意した。

4カ国は、デジタルインフラ、コネクティビティ、情報セキュリティ、デジタルエコノミー、デジタルガバメント、イノベーション、関連規則の共通化などの課題に対応し、「デジタル・メルコスール」を促進するための組織「デジタル・アジェンダ・グループ」を2017年に設立、翌年にはアクションプランを策定し、急速に進む社会のデジタル化への対応を試みていた。2019年12月には加盟各国でそれぞれ運用する電子署名を相互に認証することで合意しており、今回の合意はその流れを受けてのものだ。

4カ国が署名したメルコスール電子商取引協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、4カ国共通のECに係る法的枠組みとなるものだ。協定は、ECを電子的手段による商品やサービスの生産、流通、マーケティング、販売、配送と定義し、電子的送信に対する関税不賦課、加盟各国の電子署名の法的有効性の認定、消費者保護に係るメルコスール規則の順守、個人情報の保護に係る国際基準に従った国内法の維持、国境を越えて移転される情報の適切な保護、データサーバーなどコンピュータ関連設備の設置要求の禁止(除く金融サービス)、ECの発展に向け各国が協力すること、といったルールを定めた。

また、WTOにおけるECルールに関する交渉、第三国・地域との通商協定交渉を通じた世界のECルールの進歩を念頭に、協定を2年ごとに改定することができる。

パンデミックにより、ECは域内各国で拡大しており、ECルール整備の重要性が一層高まっている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

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