対内投資の促進へ、政府主導で国内企業検索データベースを導入

(カンボジア)

プノンペン発

2021年06月16日

カンボジア開発協議会(CDC)は5月12日、カンボジア国内企業の検索データベース(SD2外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます=The Suppliers Database with Sustainability Dimensions)の正式導入を発表した。同データベースの構築事業に関し、ジェトロはCDCを訪問し、広報および民間投資促進担当ディレクターのスオン・ソパル氏、SD2の開発運用に携わるロス・ランセイ氏らに話を聞いた(6月11日)。

写真 訪問時の様子(CDC提供)

訪問時の様子(CDC提供)

SD2は、政府主導でカンボジア国内企業の情報を一元化し、対外的に広く情報提供を行うことで、カンボジアへのさらなる投資や国内協業促進を目的として設置された。世界経済フォーラム(WEF)の支援の下、民間セクターやNGOなどさまざまな立場の意見を取り入れ、2年の歳月をかけて開発されたもので、カンボジアに所在する企業であれば、業種や資本国籍を問わず無料でアカウント作成と登録申請が可能だ。マイページから会社概要、連絡先、製品・サービス概要、生産規模、取得済み認証、その他写真などの情報を入力し申請すると、CDCで内容を確認し、承認後に本掲載される仕組みになっている。

登録時に求められる「持続可能性」に関する指標は、特に民間セクターからの強い要望により設定した。いずれも企業自身の持続的な発展に資し、かつ投資家のパートナー選定時の重要な視点として挙げたものだが、門戸が狭まりすぎないよう6つに絞り、「最低1つを満たしていること」を登録要件とするに至った。

画像 6つの持続可能性指標(CDC提供)

6つの持続可能性指標(CDC提供)

6月14日時点の掲載企業数は、農業・食品関連企業のほか、製造業、不動産など計23件。「今後、情報蓄積と認知が進みデータベースとしての価値が高まることで、SD2がビジネスマッチングのプラットフォームとなり、既進出企業も含めた国内企業がカンボジアに進出する外資系企業のサプライチェーン構築に参画するための一助になることを期待している」とロス氏は話す。なお、SD2の認知度向上と活用促進活動の一環として、同氏は6月23日に、カンボジア国際商工会議所(International Business Chamber of Cambodia)と共催のセミナーへの登壇も予定している。

(清島優花)

(カンボジア)

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