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米ファイザーとの新型コロナワクチン契約交渉不調の理由明らかに

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年06月10日

アルゼンチン下院は6月8日、新型コロナウイルスワクチンの契約と交渉状況に関する公聴会を開催した。ビデオ会議方式で出席した米国ファイザーのアルゼンチン法人のニコラス・バケール社長は、政府との交渉が不調となっている理由を明らかにした。現地の複数のメディアが伝えた。

アルゼンチンでは現在、ロシア製の「スプートニクV」、中国シノファーム製、英国アストラゼネカ製が接種されており、その多くをスプートニクVが占めている。ファイザーのワクチン「コミナティ」は2020年12月に国内の薬事当局に承認されていながら、同社とのワクチン供給に関する契約交渉は不調となっていた。これまでその理由は明らかにされてこなかった。

6月8日付現地紙「クラリン」(電子版)は、2020年11月6日公布の「COVID-19に対する免疫獲得を目的としたワクチン法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(法律第27,573号)の内容が同社の契約モデルと相いれないのが大きな理由だとするバケール氏の発言を伝えた。同法は、ワクチン接種後に副反応などの健康被害が発生した場合に製薬会社が負う賠償リスクを国が補償するための条項を契約に盛り込む権限を行政府に与えたが、製薬会社に不正や悪意のある行為、過失がある場合は補償の対象外とすることを定めている。この「過失」という文言が契約の障害になっているという。詳細は不明だが、「過失」の範囲が明らかでないことが緊急的にワクチンを開発した同社にとってリスクになっているとみられる。

契約が締結されていれば、2020年12月から1,320万回接種分のワクチンが供給される見込みだったとされている。4月から政府とファイザーは交渉を再開したが、法律を見直すかどうかについて与野党の国会議員の間で意見が分かれている。見直し不要との主張は、スプートニクVの国内生産が間もなく開始されるなどワクチン確保が急ピッチで進んでいるためだが、これまでにワクチンを接種した人は国民の約3割、ワクチンを2回接種した人はそのうちの2割にとどまるなど、ワクチンの確保と接種は道半ばだ。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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