政府が新たな景気刺激策の詳細公表
(タイ)
バンコク発
2021年06月07日
タイ政府は6月1日の閣議で、新型コロナウイルス感染第3波の影響を受ける者に対する支援策や個人消費刺激策を承認、詳細を財務省が公表した。約5,100万人のタイ人が本措置の対象となる。
主なポイントは以下のとおり。
- 約1,365万人の福祉カードを所持する低所得者などに対し、1人当たり月200バーツ(約700円、1バーツ=約3.5円)の現金を6カ月間追加給付する。予算総額は約163億8,000万バーツ。
- インターネットにアクセスできない者やスマートフォン非保持者(政府専用の電子マネーアプリにアクセスできない者)、高齢者、障害者、寝たきりの患者など約250万人に対し、1人当たり月200バーツの現金を6カ月間給付する。予算総額は約30億バーツ。
- 「コン・ラ・クルン(タイ語で『半分ずつ』の意)」の第3弾として、対象者最大3,100万人を限度に、食品やサービスなどの購入代金を政府が一部補助する(1日最大150バーツ、1人当たり総額3,000バーツが限度)。予算総額は約930億バーツ。政府は1,860億バーツの経済効果を見込む。
- 「インチャイ・インダイ(タイ語で『使えば使うほど手に入る』の意)」プログラムの実施。付加価値税の登録をしている店舗で飲食や、製品・サービスを政府の電子マネーアプリを使用し購入することが制度利用の条件。支出金額の10%から15%相当のバウチャーを給付する。1人当たりの最大支出金額は6万バーツ、1人最大7,000バーツのバウチャーを給付する。現金との交換は不可。予算総額は約280 億バーツ、政府は2,680億バーツの経済効果を見込む。
新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、これらの措置は早ければ7月1日から12月31日の間に実施する予定。
(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)
(タイ)
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