財務管理のデジタル化支援プロジェクト発表

(フィンランド)

欧州ロシアCIS課

2021年06月25日

フィンランド経済・雇用省は6月15日、全てのビジネス上の取引がデジタル情報とその処理に基づいて行われる「リアルタイム・エコノミー」への移行に向けて、企業の財務管理のデジタル化を支援する「リアルタイム・エコノミー」プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの創設を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同国の特許・登録庁がプロジェクトの運営を行い、関連省庁のほか業界団体も参画する。期間は2021年から2024年。インボイスや領収書の電子化、異なるシステム間での企業情報の共有、更新、自動処理などに取り組み、企業・行政の生産性向上を図る。

このプロジェクトでは、財務管理のデジタル化に必要な条件を定め、導入を促進するため、デジタル化に必要なインフラ、技術、サービスを実装するとしている。この目的に向けて、プロジェクトでは以下について提案を行うとしている。

  • デジタルエコシステムの相互接続性やテクノロジー
  • 財務管理活動や手続き
  • 組織・ガバナンスモデル

同プロジェクトの運営グループ長を務めるビレ・コプラ国務長官は「このプロジェクトによってリアルタイム・エコノミーへの移行につながる基礎的なソリューションを発展させることで、企業や行政機関の生産性向上を支援する」とコメント。「プロジェクトを成功させ、フィンランドをデジタル経済の先駆者とするには官民の緊密な連携が不可欠だ」とも述べた。

このプロジェクトには、同国の「持続可能な成長プログラム」の一環として、財源にEUの復興レジリエンス・ファシリティーを活用する予定としている。

こうした財務管理のデジタル化はフィンランドだけでなく、北欧諸国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)が参画する「北欧スマートガバメント」プロジェクトの一環として、北欧レベルでも推進されている。将来的には、北欧に共通デジタルビジネスエリアを設置し、ビジネス情報を安全に、自動的に、リアルタイムでやり取りすることを可能にすることを目指している。

(山田恭之)

(フィンランド)

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