チリ政府、新型コロナ保険の加入を義務化

(チリ)

サンティアゴ発

2021年06月07日

チリ労働省は、6月1日に法21342号を施行し、「新型コロナウイルス禍」における労働環境に関連し、新たに雇用主に課す義務を定めた。

第1に、雇用主は企業の業態などの事情に鑑みつつも、自宅などでの勤務が可能なテレワーク様式を適切に導入しなければならない。特に、対象となる被雇用者が60歳を超える高齢、高血圧や糖尿病などの疾患を持つ高リスク者であるケースや、子育てや介護を理由に自宅を離れての勤務が困難なケースにおいては、それらの事情を考慮し、オフィスや店舗への出勤を伴う労働を強制することがあってはならない。

第2に、オフィスや店舗での就労が行われる場合には、雇用者は日々の体温測定や適宜の検査の実施、適切なソーシャルディスタンスの確保、消毒や清掃の励行、マスクやアルコールジェルを完備するなどの感染防止策を講じる必要があり、それらを実施するための費用は、いかなる場合においても被雇用者から徴収してはならない。

雇用主負担による新型コロナ保険への加入が義務化

さらには、対象の被雇用者がテレワークのみの形態で業務に従事する場合を除いて、新型コロナウイルス感染を原因とする死亡、入院、治療を補償範囲とする保険制度への加入と、その保険料の一切を雇用主が負担する義務についても規定された。法21342号では、被雇用者1人当たりの年間保険料を最大で0.42UF(注)と定めており、今後は同法に則したプランの運用を民間の保険会社が開始し、雇用主はそれらの企業を通じて申し込みを行う流れとなっている。

(注)消費者物価指数の変動率に応じて調整されるインデックスで、2021年6月4日時点の1UFは2万9,628.51ペソ(約4,444円、1ペソ=約0.15円)。

(佐藤竣平)

(チリ)

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