P4Gサミット、ソウル宣言を採択し閉幕

(韓国)

ソウル発

2021年06月02日

5月30日から31日までの間、「2021 P4G Seoul Summit」(以下、P4Gサミット)(注1)が韓国のソウルで開催された。30日に開会式および首脳級セッション、31日に分野別セッション(水、エネルギー、食糧および農業、都市、循環経済)、首脳級ダイアログと宣言文を採択し、閉幕した(P4Gのプログラム詳細参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

P4Gサミットのオープニングスピーチで、文在寅大統領は韓国の気候変動問題に関する国際約束として、以下を宣言した。

1.「2030年国家温室効果ガス削減目標」(注2)を追加で引き上げる。具体的には、2021年11月のCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)で提示する。

2.海外の新規石炭火力発電への公的金融支援を中止する。国内では新規の石炭火力発電所建設許可を全面的に中断し、老朽化した石炭火力発電所10基を早期に廃止し、再生可能エネルギーの比率を高める。

3.開発途上国の気候変動問題について、2025年までに気候・グリーンODA(政府開発援助)を大幅に増額する。さらに、グローバルグリーン成長研究所(GGGI)に500万ドル規模のグリーン・ニューディールファンド信託基金を新設する。

4.海洋ごみの削減のため、国連レベルの海洋プラスチックの議論が早急に開始されるよう、韓国も海洋国家として積極的に協力する。

5.韓国は2023年、COP28の誘致を推進する。

今回のP4Gサミット採択された「ソウル宣言」(全文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、気候変動問題の危機の深刻さを認識し、これを克服するため、(1)世界的な気温上昇をパリ協定で合意された1.5度以内に抑制、(2)脱石炭に向けたエネルギー転換の加速化、(3)海洋プラスチック問題への対応などに言及した。

(注1)P4G:Partnering for Green Growth and the Global Goals 2030。

(注2)韓国政府は2020年12月、温室効果ガス削減目標に関し、2030年までに2017年に比べ24.4%削減するとしたNDC(国が決定する貢献)を国連に提出。

(当間正明)

(韓国)

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