第1四半期GDP成長率、前期比1.6%にプラス転化

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年06月18日

ニュージーランド統計局は6月17日、2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比1.6%だったと発表した。前期のマイナス1.0%からプラスに転化し、前年同期比でも2.4%となった。

産業別にみると、建設業(前期比6.6%増)、卸売業(4.0%増)、情報メディア・通信(3.4%増)、保健衛生・社会支援(2.8%増)、小売・宿泊業(2.3%増)などが大きく伸びた(添付資料表参照)。一方、鉱業(4.4%減)、輸送・倉庫業(4.1%減)、電気・ガス・水道(2.3%減)、金融・保険(1.1%減)では減少がみられた。

ニュージーランドでは、2021年第1四半期の間に市中感染が再発し、オークランドでは新型コロナウイルスの警報レベルを3に引き上げ、計10日間、外出制限措置が課された。また、第1四半期は本来、海外観光客や留学生の渡航が増加する季節だが、外国人の入国規制は継続されている。「そうした状況にもかかわらず、広範にわたって成長がみられた」と、同局は説明した。特に、サービス産業の成長が顕著で、機械設備や自動車の卸売りの力強い伸びが全体を牽引したほか、住宅需要の高まりによって、建設業が成長に最も貢献した、と分析した。

グラント・ロバートソン財務相は「新型コロナウイルス感染拡大の影響による不確実性が継続しているにもかかわらず、ニュージーランド経済は引き続き堅調に成長している」と強調した。また、「いまだ影響を受ける産業を支援し、経済の回復と再建を確実に推進する」と述べた。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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