G7気候・環境大臣会合、石炭火力支援停止へ年内に具体策

(英国、世界)

ロンドン発

2021年06月01日

G7の気候・環境大臣会合が5月20、21日にオンラインで開催された。会合では、地球温暖化を産業革命以前より1.5度上昇に抑える努力を継続することで一致。中国など主要な温室効果ガス(GHG)排出国を含むG7以外の国々にも排出削減目標(NDC)の強化を求め、石炭火力発電への国際公的支援全廃に向けた具体策を2021年内に講じることなどに合意した。

会合を踏まえて公表したコミュニケ(閣僚声明、原文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))の気候変動に関する主な記述は、添付資料のとおり。コミュニケではこのほか、生物多様性の保全、森林破壊や海洋ごみ問題への対処など、環境に関する合意事項なども明記した。

今回のG7気候・環境大臣会合は2021年にG7議長国を務める英国が招集し、日本からは小泉進次郎環境相、梶山弘志経済産業相らが参加した。共同議長の1人で、11月に英国グラスゴーで開催される第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の議長を務めるアロック・シャルマ氏は会合後、石炭火力廃止に向けた合意について「気候変動対策にとって極めて重要なこの年に打ち出された新たなマイルストーン」と述べ、合意の意義を強調した。

シャルマ議長は今回の会合に先立ち、国際エネルギー機関(IEA)にCOP26に向けた提言の取りまとめを要請。IEAはこれを受けて5月18日、2050年までのエネルギー部門の二酸化炭素排出ネットゼロに向けたロードマップを公表している(2021年5月26日記事参照)。

(宮崎拓)

(英国、世界)

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