4月の小売売上高は3カ月連続で前年同月比プラス

(香港)

香港発

2021年06月04日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)統計処は6月1日、2021年4月の小売売上高(速報値)が3カ月連続で前年同月比プラスとなり、12.1%増の270億香港ドル(約3,780億円、1香港ドル=約14円)だったと発表した(添付資料図参照)。

なお、同月の小売売上高のうち、全体の6.8%を占めるオンライン販売額は18億香港ドル、前年同月比で27.2%増となった。

業態および品目別にみると、増加幅が最も大きかった主な品目は、3月に続いて「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比93.2%増の26億2,700万香港ドル。また、「衣類、靴および関連商品」も60.2%増の31億1,300万香港ドルと増加が目立った。他方、「スーパーマーケット」は4カ月連続で前年同月比マイナスとなり、12.7%減の41億6,600万香港ドルだったほか、「百貨店」も減少に転じ、22.2%減の24億2,200万香港ドルとなった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は「2021年4月の小売売上高は、比較対象が新型コロナウイルスの影響で低水準だったことから(2021年2月および3月に)引き続き前年同月比で増加したが、香港のインバウンド観光業は停止した状態が継続しており、パンデミック前の水準には遠く及ばない。世界では新型コロナウイルス感染拡大が繰り返される中で、当地のインバウンド観光業の回復には時間を要するとみられ、小売業の短期的なビジネス環境は依然として厳しい。ワクチンプログラムへの積極的参加が重要だ」とコメントしている。

また、香港中文大学国際ビジネス・企業プログラムの共同ディレクターである李兆波氏は「5月の小売売上高も前年同月比で増加が見込まれるが、学校の試験期間が重なることや外国からの訪問者がほぼ存在しないことによって、増加の勢いは幾分か弱められる可能性がある」と述べている(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙6月2日)。

(野原哲也)

(香港)

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