4月のEUの失業率は前月比で横ばい、ユーロ圏は0.1ポイント改善

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2021年06月08日

EU統計局(ユーロスタット)の6月1日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、4月の失業率(季節調整済み)は、EU27カ国全体で前月から横ばいの7.3%、ユーロ圏19カ国では前月から0.1ポイント改善し、8.0%だった(添付資料表参照)。

4月の失業率を加盟国別にみると、ポーランドが引き続き3.1%と最も低かった。失業率が最も高い加盟国はスペインで15.4%だった(ただし、最新データが未発表のギリシャは2020年12月時点で15.8%)。

失業率が前月から悪化した加盟国は、キプロス(1.4ポイント増)やリトアニア(0.5ポイント増)など10カ国だった。他方、失業率が前月から改善した加盟国は、フランス(0.6ポイント減)やブルガリア(0.4ポイント減)などの9カ国だった。

4月のEU27カ国の失業者数は1,538万人で、前月比16万5,000人減、そのうちユーロ圏は1,303万人で、13万4,000人の減少となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数はEUで293万9,000人となり、このうち234万8,000人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の増減を前月比でみると、EUでは2万1,000人の減少、そのうちユーロ圏で1万8,000人の減少となった。

EUでは25歳未満の若年層の4月の失業率は17.1%となり、新型コロナウイルス感染拡大が始まっていた1年前の水準に戻っていない。過去1年間の若年層の失業率の推移をみると、2020年4月(16.0%)から悪化し、同年8月に18.3%でいったん上昇に歯止めがかかった。その後、失業率は3カ月連続で改善したものの、2020年12月と2021年1月に再び上昇し、足元では改善傾向が続いている。

若年層の4月の失業者数を加盟国別にみると、フランス(53万4,000人)、スペイン(52万6,000人)、イタリア(48万8,000人)が引き続き大部分を占めた。スペインでは、若年層失業率が38.0%と前月から0.3ポイント悪化した一方、イタリアは33.7%で前月から0.1ポイント改善した。若年層失業率が最も低かったのは、前月から0.1ポイント改善したドイツの6.0%で、最も高かったのはスペインだった。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

ビジネス短信 1fe01673a46a151c