デリー準州、商業活動が再開

(インド)

ニューデリー発

2021年06月07日

インドのデリー準州政府は6月5日、4月19日から続いた厳格な活動制限を大幅に緩和する通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。新たな措置は、6月7日午前5時から6月14日午前5時まで適用される。州政府は、前週から製造工場の操業と建設現場の再開を認めていた。7日からは民間企業の事務所、ショッピングモールなど商業施設の再開が条件付きで許可され、本格的に商業活動が再開される。自動車やニ輪車の売り上げ大幅減の要因だった販売店の営業も再開し、経済の早期回復が期待される。

今回発表された主な緩和措置は以下のとおり。

  • 民間企業の事務所は、従業員数の50%までの出勤、午前9時から午後5時までの間の営業が認められる。従業員は会社が発行した出勤を許可するレターを保持すること。
  • ショッピングモールなど大規模商業施設は、入居店舗数の50%まで(店番号の偶数、奇数に応じて隔日で営業)、営業時間は午前10時から午後8時までとする(ただし、生活必需品を扱う店舗は制限なし)。
  • その他独立した店舗(小規模・個人商店など)の営業も許可される。ただし、生活必需品以外を扱う店舗の営業時間は午前10時から午後8時までとする。
  • デリー・メトロは、乗客の座席数の50%を上限とし運行を認める。

デリー準州の1日当たり新規感染者数は、4月21日には2万8,000人超のピークとなり、4月から5月中旬にかけて医療用酸素や病床不足など深刻な医療崩壊を招いたが、5月以降は減少に転じていた。5月15日には1万人を切り、過去1週間の平均では500人台まで減少している。ピーク時には30%を超えた陽性率も、直近1週間では約1%と劇的に改善している。この急激な感染者数の減少は、ロックダウンによる効果が大きいとされている。6月7日以降、行動制限が緩和され、人流が活発化し、経済活動が平常化されるに伴い、新規感染者数がどう推移していくのか注目される。

(村橋靖之)

(インド)

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