5月の自動車販売、14カ月ぶりに前年同月比マイナスに

(中国)

上海発

2021年06月18日

中国自動車工業協会(CAAM)が6月11日に発表した5月の自動車販売台数は、前年同月比3.1%減の212万8,000台となった。2020年3月以来14カ月ぶりに前年同月に比べ減少した。内訳は、乗用車が1.7%減の164万6,000台、商用車が7.4%減の48万2,000台だった。うち、新エネルギー車は2.6倍の21万7,000台となった。

新エネルギー車は引き続き好調な販売を維持し、5月の販売台数としては過去最多を記録した。2020年の自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合は5.4%だったが、2021年1~5月の新エネルギー車の累計販売台数は95万台となり、自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合は8.7%と上昇した。さらに5月だけでみると、自動車販売台数に占める新エネルギー車の割合は10.2%と全体の1割を超えるまでになっている。

今後の自動車市場について、CAAMは「中国経済の安定的な推移は自動車の消費に対しプラスに働いている。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の回復は不均衡で、また、国内経済の回復基盤もまだ不安定な部分がある。これは自動車産業の発展に一定の困難をもたらしている。とくに、車載半導体の供給問題が生産に与える影響は月を追って大きくなり、原材料価格の上昇は企業のコスト圧力をさらに高めている。さらに、米ドルに対する人民元の継続的な上昇は輸出に一定の影響を及ぼすだろう。そのため、自動車産業の発展については楽観視しているものの、慎重にみていく必要がある」としている。

(高橋大輔)

(中国)

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