英国政府、北アイルランド議定書の実施状況に関する評価を発表

(英国、EU)

ロンドン発

2021年06月11日

英国ロンドンで6月9日、英国・EUの通商・協力協定の下に設置されたパートナーシップ協議会の第1回会合と離脱協定合同委員会の第8回通常会合が開催され、英国政府は合同委員会の終了後、同日付でEU離脱協定のアイルランド・北アイルランド議定書の実施状況の評価を含む声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。声明では、同議定書の運用のため、英国政府、北アイルランド自治政府、英国内の事業者による幅広い取り組みが行われているものの、医薬品の供給混乱の回避など、さらなる議論が必要な分野があるとしている。その上で、進捗が見られない分野、進捗が見られないもののEUからのさらなる提案が見込まれる分野、進捗が見られる分野を整理した(添付資料参照)。

また、合同委員会では、離脱協定の下で保障された市民権についても意見交換が行われた。英国政府は、英国のEU定住スキーム(2021年1月調査レポート参照)はEU国籍者の市民権を尊重し、500万人以上が申請するなど成功を収めているとする一方、EUとその加盟国に対して、EUにおける英国籍者に対する同様のスキームの導入を求めている。

パートナーシップ協議会と合同委員会の開催に先立ち、英国のデイビッド・フロスト内閣府国務相は、パートナーシップ協議会の歴史的な第1回会合は同等の主権を持つ友好的な通商パートナーという新たな関係の重要な節目になるとする一方、合同委員会では同議定書を実行するための実質的な解決策の策定が急がれるとしていた。

(飯田俊平)

(英国、EU)

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