エチオピア、6月の国政選挙など延期

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年05月20日

エチオピアの国家選挙管理委員会は5月15日に記者会見を開き、6月実施予定の選挙の延期を発表した。国政選挙の投票日は6月5日、特別行政都市(アディスアベバ市とディレダワ市)の市議会選挙は6月12日に迫っていた。5月14日に締め切った有権者登録は3,600万人を超えたものの、国内遠隔地の治安の悪化で伸び悩んだとされ、目標の8割ほどにとどまっている(「BBC」5月18日)。

今回の選挙はもともと2020年8月29日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止を理由に延期されていた(2020年4月15日記事参照)。その後、同年11月には、ティグライ州での紛争も発生したため(2020年11月9日記事参照)、同州を除く9州2特別行政都市を対象に実施の予定だった。南部諸民族州では、新たに南西州を分割設置する住民投票も予定されていた。現地報道では、3週間の延期との観測が広がっているが、具体的な日程は決まっていない。なお、新日程では混乱を防ぐため、国政選挙と特別行政都市選挙は、同一投票日にすることが決まっている。

選挙の延期は、物理的な準備の遅れを理由としており、投票所の開設準備などに遅れがあったことが明らかになっている。他方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響については触れられていない。エチオピアの新型コロナウイルス感染確認者数は、累計26万6,646人(2021年5月17日時点)で、最近では1日当たり新規感染確認者数は、検査数の減少とともに、500人を切る水準になっている。しかし、4月上旬までは感染拡大傾向が止まらず、1日当たり感染確認者数が2,000人を超える日もあり、検査陽性率も25%水準だった。

(関隆夫)

(エチオピア)

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