トウモロコシ・大豆の輸入税、2021年末まで免税に

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年05月10日

ブラジル貿易審議会(CAMEX、注1)は4月20日、同日付決議189号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより4月27日から12月31日まで、トウモロコシおよび大豆のメルコスール域外からの輸入税を免税扱いとする旨を決定した(注2、注3)。

メルコスール域外から輸入されるトウモロコシおよび大豆の関税については、前年も2020年10月20日付決議101外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび102号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで免税措置の対象となり、トウモロコシは2021年3月31日まで、大豆は2021年1月15日まで有効だった。しかし、国際価格上昇や現地通貨レアルの対ドルレート下落などで、家畜の餌となるトウモロコシや大豆の国内価格が上昇していることを踏まえ、再度措置を講じるに至った。

2020年10月20日付の免税措置が適用されていた期間の貿易統計をみると、2020年11月~2021年3月のトウモロコシ(NCMコード:1005.90.10)輸入量は113万6,330トン(前年同期比49.4%増)で、そのうち99%はパラグアイ産だった。また、2020年11月~2021年1月の大豆(NCMコード:1201.90.00)の輸入量は27万8,614トン(前年同期比8.2倍)で、そのうち65%以上はパラグアイ産だった。いずれも品目も、メルコスール域内からの輸入がほとんどだった。

一方で、2021年1月には米国から3,051トンの大豆が輸入されている。経済省貿易統計(COMEXSTAT)が統計を取り始めた1997年以降2020年末まで、米国からの大豆輸入はなかったが、当該月の米国からの輸入は、輸入相手国1位のパラグアイに次ぐ輸入量だった。ただ、依然として、大豆の主要輸入相手がメルコスール域内国であることに変わりはない。

関連業界団体は、今回の決定をおおむね支持している。4月20日付現地紙「バロール」によれば、大豆生産者協会(Aprosoja)のバルトロメウ・ブラス会長は、免税措置の延長により安価な大豆の輸入量が増加しても、ブラジル産大豆は質が良く国際需要も高いため、国内事業者が脅かされる心配はないという見解を示している。

また、同措置の延長を求めていたブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は、今回の政府対応を評価している。4月6日付の農業情報サイト「Notícias Agrícolas」によれば、ABPAのリカルド・サンチン会長は、前年からトウモロコシおよび大豆の輸入量は増加した一方、輸入元の多くがメルコスール域内だったため、「メルコスール域外からの輸入を対象にしたCAMEXによる免税措置を生かせなかった」と説明した上で、不安定な現状の下では、鶏・豚肉生産者にとってメルコスール域外から輸入しやすい選択肢があることが重要で、「今後も免税措置は継続すべきだ」とも述べている。

また、4月21日付の農業情報サイト「Agromais」では、トウモロコシ生産者協会(Abramilho)のセザリオ・ラマーリョ会長は、国内の鶏・豚肉生産者への理解を示し、降雨不足や害虫の影響でトウモロコシの生産減少が予想される中、免税を延長することは、「合理的な措置」とみていると述べた。

(注1)CAMEXは、ブラジル国内で課される関税率を決定する権限を持つ

(注2)ブラジルは、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4カ国から成る関税同盟メルコスールに加盟しており、対外共通関税率を採用している。他方、加盟各国で例外品目を選定できるため、この度の措置により、ブラジルでは、大豆およびトウモロコシが例外品目に指定された。

(注3)4月20日付CAMEX決議189号で対象になった品目のNCMコードおよび対外共通関税率は、それぞれ次のとおり。1005.90.10および1201.90.00:8%、1507.10.00:10%、2304.00.10:6%。

(エルナニ・オダ、古木勇生)

(ブラジル)

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