バイデン米大統領、7月4日までに成人7割に1回目のワクチン接種を新目標に

(米国)

ニューヨーク発

2021年05月06日

ジョー・バイデン米国大統領は5月4日、米国内でのワクチン接種に関して、7月4日までに成人の70%が少なくとも1回目のワクチン接種を終え、1億6,000万人の成人が接種を完了することを新たな目標にすると記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで発表した。

バイデン大統領はこれまでの成果として、就任100日以内に2億2,000万回のワクチン接種を終え、1億人超が接種を完了したことなどを強調した。他方、ワクチン接種のペースが落ちてきていることを受けて、新たな段階に移っていくとし、今回の目標を打ち立てた。政権が同日に発表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、目標達成のための策として、次のような事項を挙げている。

  • 連邦政府のワクチン・プログラムに参加している薬局チェーン(注)に対して、事前の予約なしに接種機会を提供するよう指示
  • 連邦緊急事態管理庁(FEMA)を通じて、仮設のワクチン接種会場や小規模自治体でのワクチン接種会場、より多くの移動式クリニックの設置支援
  • 地方の医療施設へのワクチンの新たな配分
  • 自治体のワクチン接種の取り組みを促進するための資金補助、など

これらに加えて、バイデン大統領は、市民がワクチン接種可能な最寄りの薬局をすぐ検索できるよう、新たな連邦政府サイト「Vaccines.gov外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げたことや、携帯電話のテキストメッセージで番号「438829」宛てに居住地の郵便番号(Zip code)を送信すれば、最寄りの薬局情報が返信されるツールを準備したことを発表した。

また、バイデン大統領は次の段階として、12~15歳の子供に関して、米国食品医薬品局(FDA)がワクチンの使用を承認次第、全米に約2万カ所の子供向けのワクチン接種会場を準備するとした。同年齢層へのワクチン接種に関しては、ファイザーとビオンテックがFDAに、同社製ワクチンの緊急使用許可(EUA)の対象範囲を同年齢層にも拡大するよう求めている。ファイザーのアルバート・ブーラ会長兼CEO(最高経営責任者)は、FDAが近いうちに承認について決定する見通しと発言している(NPR5月4日)。

(注)米国疾病予防管理センター(CDC)の説明ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認が可能。

(磯部真一)

(米国)

ビジネス短信 812947b3f37e15a7