予約不要の新型コロナワクチンマラソン奏効、規制措置の緩和も発表

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年05月21日

ルーマニアでは、新型コロナウイルスのワクチン接種が着実に進んでいる。4月下旬から毎週末、主要都市の公共施設やショッピングモール、スタジアムなどで、大規模接種キャンペーンイベント「ワクチンマラソン」が開催されている。米国ファイザー製を中心としたワクチンが予約不要かつ無料で接種できるイベントで、5月21~23日の週末は全国16カ所で開催される。小説や映画の「ドラキュラ」のモデルとして有名なブラン城でも、5月7日から1カ月間にわたって毎週末、ワクチンマラソンが開催されており、地元住民はもちろん、観光客も予約不要で接種できるため、観光業活性化が期待されている。このほか、ドライブスルー方式の予約不要のワクチン接種も全国で22カ所運営されているなど、気軽に接種できる態勢が整ってきた。

ワクチン接種態勢を強化していることから、5月20日時点の接種済み者数は累計405万7,860人(うち、1回だけ接種した人が100万1,655人、2回接種済みの人は305万6,205人)と、全人口の21.1%に達した。新規感染者数も減少しており、5月20日時点の1日当たり新規感染者数は618人、首都ブカレスト市では、直近14日間の1,000人当たり1日平均の新規感染者数は、ピーク時には7人前後だったが、5月20日時点で0.82人にまで低下した。

また、政府は5月14日に発令した「政府決定第550号」で規制措置の緩和を発表した。15日以降、(1)夜間外出禁止の解除、(2)小売店の閉店時間制限の解除、(3)屋外でのスポーツ観戦は収容人数の25%を上限に許可、(4)屋外でのコンサートや催事の開催は最大500人までに制限、(5)飲食店は、1,000人当たりの1日の新規感染者数が3人以下の自治体では屋内、テラス席ともに収容人数の50%、かつ午前5時~翌日午前0時で営業可、(6)ジムやフィットネス施設の利用は収容人数の50%を上限に許可などを定めた。屋内プールやショッピングモール内のキッズコーナーは引き続き営業を禁止している。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

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