イスラエルとパレスチナの軍事対立激化で、イランがイスラエル非難

(イラン、イスラエル)

テヘラン発

2021年05月18日

イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実行支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事対立が5月10日から激化していることについて、イラン国内では報道が相次いでいる。

イスラム諸国の連携呼びかけ

モハマド・ジャバッド・ザリフ外相は5月10日にハマスのイスマイル・ハニーヤ政治局長と電話で協議し、パレスチナの人々に対するイランの支援は不変の外交政策の一部と述べるとともに、イスラエルによる攻撃を非難したと報じられた〔5月10日付イスラム共和国通信(IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕。

IRNAはまた、ハッサン・ローハニ大統領がカタールのタミム・アル・サーニ首長との電話協議でイスラエルによる攻撃を非難し、イスラム協力機構(OIC)がパレスチナ情勢に関してより積極的な役割を果たすべきとの発言を報じた(5月13日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領との電話協議では、パレスチナはイスラム共同体の最も重要な共通の問題だとし、「イスラム諸国はシオニスト政権(イスラエル)の侵略に立ち向かうため、国連やOICなどの国際機関を活用し、協力するべき」との発言も報じた(5月16日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、イランの国立救急隊がガザ地区の負傷者を救護し、イランに搬送する準備ができているとの報道もあった(5月16日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

当地の保守系のケイハン通信は17日、「ガザに対するイスラエルの攻撃と、パレスチナ人への組織的な犯罪の即時停止を求める」とするOIC声明を掲載。ファールス通信は16日、テヘランのパレスチナ大使館の前に集まり、イスラエルに対する抗議行動をするアゼルバイジャン人学生グループの写真を掲載した。

比較的穏健とされる「イラン・デーリー」紙も16日、パレスチナ人に対するイスラエルの犯罪に立ち向かうようイスラム諸国に促すローハニ大統領の発言とともに、上記IRNAと同様に、同大統領がトルコのエルドアン大統領に電話で語ったとする内容を掲載した。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、イスラエル)

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