ラマダン中に新型コロナ感染増加、小売・飲食店は午後9時以降営業禁止に

(エジプト)

カイロ発

2021年05月07日

エジプトでは、4月中旬からラマダン(断食月)が始まり、新型コロナウイルス感染者数は増加傾向となっている。保健・人口省によると、5月に入り1日当たり感染者数は1,000人超で推移し、第3波が到来している。ラマダン中は、会食や集会、集団礼拝の習慣があることが背景にあるとみられる。感染状況の悪化を受け、5月5日にエジプト政府は、5月6~21日まで午後9時以降の小売店や飲食店の閉鎖措置などの感染防止策実施を発表した。その他、宗教省からもラマダン中の礼拝に関する感染対策措置が出されている。

【最近の主な対策措置】

  • ラマダン期間中のモスクではマスク着用義務、礼拝は30分以内、子供同行不可、飲食不可など
  • (5月から)ラマダン期間終了までモスクでの夜の礼拝(Tahajjud)の禁止
  • 4月29日から小中高の学校閉鎖(大学はオンライン授業で実施)
  • 5月6~21日まで小売店・飲食店などの午後9時以降営業禁止(配達は24時間可能)
  • 5月6~21日まで大規模集会やコンサートなどの禁止
  • 5月12~16日のラマダン明けイード休暇における公園やビーチの閉鎖

詳細は、日本外務省ウェブ「エジプトにおける新型コロナウイルス感染予防のための新たな措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照。

ワクチン接種は1月から開始するも、調達に遅延

エジプトでは早い時期から、医療従事者、65歳以上の高齢者、慢性疾患患者を優先に中国シノファーム製ワクチンの接種を開始した。一方で、ワクチン調達が遅れていることから、現状は人口の1%、約100万人の初回接種が終了したところだ。エジプト政府によると、英国アストラゼネカ製やシノファーム製のワクチンが近日中に数百万回分到着の予定で、また、エジプトでワクチンを製造する計画も出ている。ワクチン接種の優先順位や対象外の規定もあるものの、原則、全てのエジプト国民、在留外国人が予約可能となっている(在エジプト日本国大使館ウェブ参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(井澤壌士)

(エジプト)

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