ADBとの協調融資枠拡大のMOUを締結、アジアの環境プロジェクトや電子化を支援

(韓国)

ソウル発

2021年05月11日

韓国企画財政部は5月4日、ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官がアジア開発銀行(ADB)の浅川雅嗣総裁と会談を行い、韓国の対外経済協力基金(Economic Development Cooperation Fund:EDCF)(注1)との協調融資の限度額を従来の6億5,000万ドルから7億ドルに拡大する内容のMOU(了解覚書)を締結したと発表した。

EDCFはこれまで、モンゴルの大気汚染改善プロジェクト(EDCF供与額:6,000万ドル)、ソロモン諸島の水力発電プロジェクト(EDCF供与額:3,200万ドル)などを協調融資で支援してきたが、今後、韓国はADB内に設置している「e-Asia and Knowledge Fund」(注2)への出資金を847万ドルから2,500万ドルまで積み増し、途上国向け新型コロナウィルス感染症対策としての保健能力の強化や、デジタル化、グリーン経済への移行を支援する。

なお、会談では、2023年に仁川で開催予定の第56回ADB年次総会の準備やADBの韓国事務所設置なども協議した。

(注1)韓国輸出入銀行内に設置された基金で、韓国のODAのうち、有償資金協力を実施する機関。企画財政部が所掌。

(注2)アジアの貧困削減と経済・社会の発展を目的として、韓国が2006年ADB内に設立した信託基金。

(当間正明)

(韓国)

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