英国政府、動物福祉に関する行動計画を公表

(英国)

ロンドン発

2021年05月14日

英国政府は5月12日、英国における動物の扱いに変革をもたらし、国外での動物福祉を保護する措置を導入する、英国として初の動物福祉に関する行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の行動計画は、現行の先進的な動物福祉基準に基づいて策定されるもので、動物が知覚を持つことを法的に認識し、ペット、家畜、野生動物の保護のための革新的で幅広い動物福祉施策の実施を表明している。具体的な実施施策は、ペット福祉の改善、野生動物の保護、国外での動物保護、家畜動物の福祉改善に分類されており(添付資料表参照)、英国政府はそれらの施策の実施のため、動物の知覚性、国内の飼育動物、動物福祉に着目しながら、今後、一連の法案を提出するほか、非立法的な変更も実施するとしている。さらに英国政府は、今後のいずれの貿易交渉においても、動物福祉の観点について妥協することはないことを明言している。

英国は1822年の「畜獣の虐待および不当な取り扱いを防止する法律」により、動物保護の規則を制定した世界で初めての国で、その後もそれに基づいた1875年の屠畜場の環境改善、1911年の動物保護法の制定、2006年動物福祉法の制定などに加え、2010年以降も動物福祉に関する法律や規則の整備を進めてきた。行動計画の公表に当たり、ジョージ・ユースティス環境・食糧・農村地域相は、英国の有する動物保護に関する長い伝統をこれからも継続させ、さらに国外におけるそのような取組みへの支援も継続させるとしている。

英国王立動物虐待防止協会は、「今回の行動計画の公表は動物福祉に実質的で永続的な変化をもたらすもので、英国政府が国内外の動物の生存環境改善を約束したことを喜ばしく思う」と評価したほか、他の関連団体も行動計画の公表を歓迎している。

(飯田俊平)

(英国)

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