連邦政府、WHOとスイスにバイオハブ新設の協力協定締結

(スイス)

ジュネーブ発

2021年05月27日

スイス連邦参事会(内閣)は5月21日、新型コロナウイルス感染拡大で得た疫学的データと臨床データを国際的に共有するための協力協定を世界保健機関(WHO)と締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。WHOは4月15日、新型コロナウイルスなど新種の病原体の保管・分析拠点「WHOバイオハブ(BioHub)」をスイスに新設する構想を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。今回の協力協定により、スイスは防衛・国民保護・スポーツ省(DDPS)の一部門である生物安全研究所(シュピーツ研究所)をWHOバイオハブとし、新型コロナウイルスや感染症を将来引き起こす可能性のある病原体などの保管場所として提供する。

協定に関するWHOの24日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、WHOバイオハブの新設は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で得た教訓を生かし、病原体や生体材料を安全に受け取り、分析・保管し、他の研究施設にそれらを供給する国際協力センターとして活動することが期待されている。現在、各国の研究施設間の病原体の共有は、必要に応じて2国間ベースで行われているため、時間がかかる上、入手の機会を逃す国もある。今回の発表で、WHOのテドロス・アダノム事務局長は「新型コロナウイルスなどの感染拡大によって、世界各国の科学者によるリスク分析や診断、治療薬とワクチンの開発を促すために病原体を迅速に共有することの重要性が強調された」と述べた。

(和田恭)

(スイス)

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