新型コロナの国内感染者増で規制再強化、集会を最大2人に制限

(シンガポール)

シンガポール発

2021年05月17日

シンガポール政府の新型コロナウイルス・タスクフォースは5月14日、国内で変異株を含む新型コロナウイルス感染者がさらに増加していることから、集会の人数上限を5人から2人に制限するなど、感染防止対策の再強化を発表した。今回の感染防止再強化の時限的措置は5月16日から6月13日まで。タスクフォースは5月4日に、同月8日から30日まで集会を8人から5人に制限するなど、感染防止対策の強化を発表したばかりだった(2021年5月7日記事参照)。

発表によると、5月16日から6月13日まで、職場の勤務態勢について、在宅勤務を再び「デフォルト(基本)」とする。また、職場の社員間の集まりや、マスクを外して食事をともにすることなどを禁止する。さらに、飲食店内や屋外での食事も禁止となる。ショッピングモールやショールームの入店客数の上限も、10平方メートル当たり1人から16平方メートル1人へ厳しくする。国際会議やライブ公演などのイベントも、事前検査を実施した上で開催の人数上限を100人までとするほか、検査なしでの開催は50人までとする(注)。

政府は今回の感染防止強化策に伴う飲食事業者への支援として、国民(永住権者を含む)の給与の一部を助成する「雇用サポート・スキーム(JSS)」について、飲食店の店内外での食事が禁止となる間、政府の支援負担額を月給〔上限額4,600シンガポール・ドル(約38万円、Sドル、1Sドル=約82円)〕の10%から50%へと引き上げる。政府が保有する総合飲食施設(ホーカーセンター)に入居する飲食事業者に対しては、賃料1カ月分を免除する。タスクフォースは民間の商業施設の運営事業者に対し、テナントの飲食事業者への支援を強く求めた。

保健省によると、5月13日の新規感染者は34人(累計6万1,453人で、うち6万1,029人回復、死者31人、重症3人)で、このうち24人が国内での感染者。同国では公立病院や港湾施設で11の感染クラスターが確認されており、中でもチャンギ空港については警備員や清掃人など46人の感染が確認されて国内最大の感染クラスターとなっている。このため、チャンギ空港は5月13日から26日まで職員や渡航者以外の立ち入りを禁止している。

(注)このほか、5月16日から6月13日に導入する感染防止対策については、保健省の5月14日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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