5月12日から全国規模の移動制限令を再発令

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年05月12日

マレーシアのムヒディン・ヤシン首相は5月10日、全国的な新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、5月12日から6月7日までの期間、全国規模の移動制限令(Movement Control Order:MCO)を実施することを発表した。MCO下では、州間や州内の地区をまたぐ移動の禁止、飲食店での店内飲食の禁止、教育機関の閉鎖などの措置を取る。

禁止業種を除いて操業は許可

今回のMCOでの措置は以下のとおり。具体的には、国家安全保障委員会が随時発表する標準作業手順書(SOP)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注)の確認が重要だ。

  • 州間や州内の地区をまたぐ移動の禁止(ただし、緊急事態、業務、ワクチン接種、病院での診察の場合は必要書類を提示することで移動可能)
  • 禁止業種・活動以外の全ての業種の操業は可能。ただし、管理・事務部門の従業員の出勤は全従業員の30%まで。
  • 集会の禁止(結婚式、夕食会、誕生日会、政府や民間企業によるイベントなど)
  • 飲食店での店内飲食の禁止(テークアウト、デリバリーの営業は可)
  • 教育機関の閉鎖
  • 身体的な接触がないジョギングやサイクリングなどを除くスポーツの禁止(屋外で1人で行うことが条件)

マレーシア政府は、5月6日と7日からセランゴール州の6地区、クアラルンプール市などを含む一部の地域に限定して、2週間のMCOの実施を発表していたが、国内のウイルス変異株感染拡大への懸念もあり、全国一律のMCOを再発令したものとみられる。

5月10日の感染者数は3,807人で、感染者数の累計は44万4,484人となった。5月に入ってからは1日当たり3,000~4,000人の感染者が確認されている。

(注)マレー語のみ。5月11日時点の最新版は5月10日付。

(田中麻理)

(マレーシア)

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