新型コロナ感染国からの海産物輸入禁止措置を撤回

(ラオス)

ビエンチャン発

2021年04月27日

ラオス商工省は4月22日、2020年末に告示していた、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染国からの海産物輸入を一時的に禁止する措置を、5月1日から取り消す旨を発表した。

海産物輸入の一時禁止措置は、2020年12月20日に隣国タイ・バンコク近郊の水産市場で発生した新型コロナの大規模クラスターの影響(2020年12月21日記事参照)に鑑み、同年12月23日付で告示されていたもの。同措置では、新型コロナに汚染されている可能性があるとして、タイからの生鮮・冷凍を問わない全ての海産物のラオスへの輸入を、安全性が検証されるまで一時的に禁止する旨を通達していた(その後、輸入禁止対象国を全世界の新型コロナ感染国に拡大)。輸入禁止措置の運用に当たっては、第三国から輸出され、タイを経由してラオスに輸入される海産物の取り扱いや、感染国の定義などの詳細が明記されておらず、ラオス国内の飲食関連事業者や消費者の間で混乱を引き起こしていた。また、タイ政府はラオス政府に対し、同措置の撤回を繰り返し要求していた(「ラオシャン・タイムズ」2021年2月16日)。

4月22日付の発表では、輸入禁止措置撤回の理由として、世界保健機関(WHO)、国連世界食糧計画(WFP)などの国際機関や、海産物輸出入国などとの協議の結果、輸入海産物が新型コロナの感染源とならない科学的根拠を確認したためとしている。措置の撤回に関し、首都ビエンチャン市内の日本食レストランの経営者は「輸入禁止措置が敷かれている間、日本産の高品質な海産物を仕入れることができず、非常に苦労した。輸入再開後には、常連客に従来どおりの日本産海産物を利用できるようになったことを案内し、さらに多くの人々に日本産食材のおいしさを知ってもらえるようアピールしていきたい」と語った(ヒアリング実施日:4月23日)。

(岡田脩太郎)

(ラオス)

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