エルドアン大統領、4月29日から約20日間のロックダウン発表

(トルコ)

イスタンブール発

2021年04月28日

トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は4月26日、同月29日午後7時から5月17日午前5時まで、内務省が例外とした業種を除き、ロックダウン(全国の全ての職場の活動停止、または在宅勤務への移行)を実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の措置は4月14日に内務省が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした外出規制強化に続くもので、イスラム教の断食月(ラマダン)とラマダン明けのイード祭の3日間を含む約20日間が対象となる。

政府は3月に週末の外出規制を緩め、学校の対面教育や飲食店内のサービス再開などの規制緩和を行ったが、その結果、1日の新型コロナウイルス感染者数が3月1日の1万人以下から、4月14~17日には6万人を超えるまでに急増した。保健省によると、4月27日時点の総感染者数は470万人、死者は3万9,000人超となり、約2,160万人がワクチンを接種しているが、感染拡大に追い付かない状況となっている。

エルドアン大統領は発表の中で、欧州が国を開き始める中、トルコは感染者数を迅速に1日当たり5,000人以下に抑え込まなければ、観光や貿易、教育などあらゆる分野で取り残されることになるため、より強い規制が必要だとした。

26日の内務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで詳しい内容を見ると、今回のロックダウンは医療活動や食品、配送、清掃、建設など国民生活に必要不可欠な業務、生産活動を例外として、厳格に適用することになり、違反者には罰則を科す予定だ。

ロックダウンの主な内容は以下のとおり。

  1. 期間中は一部の例外と緊急の公務、治療や入退院、食糧品調達などが目的の場合を除き、終日外出禁止。
  2. カフェやレストランは配送サービスのみの提供、スーパーマーケットは月~土曜日の午前10時~午後5時のみ営業可能。
  3. 航空機を除く公共交通機関は、最大乗客数の50%までの乗客数で運行。
  4. 都市間の移動には内務省の許可が必要となり、宿泊予約があっても観光目的の移動は許可しない。ただし、外国人旅行者(短期観光目的のみ)は可。居住許可を保有する者など観光目的以外の外国人の移動については規制の対象となる。
  5. 幼稚園、保育園を含む全ての教育施設の対面教育は中止、試験は延期。

(中島敏博)

(トルコ)

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