深セン市、インビテーションレター発給を厳格化

(中国)

広州発

2021年04月07日

深セン市政府は、3月15日付で「深セン市防疫期間における外国人入国ビザ用インビテーションレターの申請ガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、民生と関わる重要プロジェクトの申請のみを受理するなど、新たな方針を打ち出した。ジェトロには、赴任者用のインビテーションレター申請が却下されたといった相談が複数寄せられている。

深セン市政府の担当部門にヒアリングしたところ、2月末から発給審査を厳しくしており、3月は50件の申請を却下、うち10件以上が日本企業関連だったという。全体の申請件数は明らかにしなかったものの、審査厳格化の理由について、「世界で新型コロナウイルス変異株の感染拡大が起きている中、省政府が広東省への外国人入国者数を減らす必要があると判断したため」と述べた。

今回の深セン市の発表には、省内の他都市ではみられない「民生と関わる重要プロジェクトの申請のみを受理する」という一文が盛り込まれている。申請した日系企業からも、これを理由に却下されたとの声が多い。民生と関わる重大プロジェクトの定義や範囲が不明確なことに対し、市の担当管理職は明言を避けつつも、入国者数を制限するための措置で、実際の判断はケースバイケースで行っているとし、画一的に発給しないわけではないとの姿勢を示した。その上で、インビテーションレター申請を行う日系企業に対しては、(1)短期滞在(出張)を意味する「商務・貿易類」の申請より、駐在申請である「工作許可類」の方が優先的に審査されること、(2)現地法人の所在区政府または市政府の担当部門(商務部門、工業信息部門など)向けに同社の重要性を証明できるレターを申請書類に添付することの重要性に留意するようアドバイスがあった。

広東省全体でも、駐在員家族向けのインビテーションレター審査が厳しくなっており、特に春節前より深セン市のみならず広州市においても、ほぼ発給されない状況が続いている。

深セン市のインビテーションレターに関する問い合わせは、ジェトロ広州事務所(PCG@jetro.go.jp)まで。

(清水顕司)

(中国)

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