「2021新しい日韓関係に向けたセミナー」開催

(韓国、日本)

ソウル発

2021年04月30日

韓国の全国経済人連合会(全経連、日本の経団連に相当)は4月27日、「2021新しい日韓関係に向けたセミナー」を開催した。

冒頭、来賓のキム・ジンピョ韓日議員連盟会長は「韓日政界が反日、嫌韓感情を政治的に利用して支持層を確保したこともあるが、両国国民のこうした対立的な感情を緩和し、両国の政策決定権者が活動できる幅を広げられるよう、政界が支援すべきだ」と主張した。

自民党の二階俊博幹事長は、ビデオメッセージで「日韓関係の発展のため、両国間の人的交流の回復、カーボンニュートラルなどESG分野の協力、全経連と日本経団連などの民間経済団体間の交流強化の3点を通じ、困難な日韓関係ではあるが、協力が必要な分野は協力しなければならない」と述べた。

現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は基調講演で、(1)ワクチンパスポートの相互認定の導入やトラベルバブル(注)協約締結の推進、(2)将来的な日中韓の潜在成長率の低下に備えた日韓間の人材活用やEUまたはNAFTAと同等水準の東アジア経済ブロックの構築、(3)カーボンニュートラルに資する炭素排出削減技術の交流活性化および国際協調、など5つの分野を経済協力分野として提示した。

パネル討論で、対外経済政策研究院のキム・ギュパン先任研究委員は、日中の経済協力関係から日韓が学ぶべき点として「日本と中国は政治や安全保障での対立点があるにもかかわらず、相互補完的な経済関係を発展させてきた。日韓の経済関係も政治的な対立と分離し、協力する余地が十分ある」と述べた。

セミナーは防疫対策を行った上、オフラインで開催され、日韓の有識者ら約50人が参加した。

(注)新型コロナウィルスの感染を抑えられている国・地域同士で隔離期間なしで渡航可能とする仕組み。

(当間正明)

(韓国、日本)

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