カナダの1月のGDPは前月比0.7%増、9カ月連続で増加

(カナダ)

トロント発

2021年04月13日

カナダ統計局は3月31日、1月の実質GDPが前月比0.7%増と、前月2020年12月の0.1%増に続き9カ月連続で増加したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、カナダ経済が2020年3月から4月の記録的落ち込みからの継続的な回復傾向にあることを示しているが、感染拡大前の2020年2月の水準からは依然として3%程度下回る。

業界別にみた2021年1月の実質GDPは、感染防止対策強化の影響を受けた宿泊・食品サービス業(前月比3.0%減)、小売り(1.7%減)、運輸(0.7%減)業でいずれも12月から減少した一方、卸売業は機械の輸入増と建築資材の需要に支えられ3.9%増となった。製造業は、売上高の上昇と在庫の増強に支えられて1.9%増加した。また、アルバータ州のオイルサンド施設の生産量が増加したため、鉱業と石油およびガスの採掘は2.7%増となり、5カ月連続で増加した。

統計局の主任統計官補佐のグレッグ・ピーターソン氏はインタビューで、早期のGDP回復は「2021年の好調なスタートを示している」ものの、業界による不均衡が顕著で、「まだかなり弱いセクターが散見される」と語っている。現時点では、新型コロナウイルス第3波の影響も、カナダ経済の回復見込みを覆すほどの予想はなく、民間のエコノミストによる実質GDP成長率の予測は平均して5.4%で、複数の銀行では6.0%成長を見込んでいる(「グローブ・アンド・メール」紙電子版3月31日)。

(江崎江里子)

(カナダ)

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