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中間層や年金生活者の個人所得税を大幅に減税

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年04月26日

アルゼンチンで4月21日、所得税法を改正する法律第27,617号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが公示され、中間層以下の給与所得者、年金生活者の個人所得税が減税された。

主な改正のポイントは、課税対象となる所得金額の最低ラインの引き上げと控除項目の追加の2点だ。改正の内容は2021年1月にさかのぼって適用される。

所得金額の最低ラインは、給与の総額が月額15万ペソ(約18万円、1ペソ=約1.2円)。これ以下であれば、所得税は課税されない。4月9日付の現地紙「クラリン」(電子版)によると、改正前は、控除後の給与の総額が、独身の場合で月額約7万5,000ペソ、配偶者と子供2人の場合で約10万ペソを下回れば、所得税は課税されていなかった。

なお、15万ペソを1ペソでも超えると課税対象となることから、給与の総額が15万ペソ超、17万3,000ペソ以下の給与所得者に対しては、特別な所得控除を別途定めるとしている。

また、6月と12月に支給される賞与も課税の対象とならない。業績連動賞与やこれに類する賞与は、年間の給与総額の40%相当(上限は6万7,071.36ペソ)まで非課税となる。

その他、以下の改正などが行われた。

  • 障害を持つ子の扶養控除の年齢制限の廃止
  • 事実婚の相手を扶養控除の対象に追加
  • 医療従事者やごみ収集員の残業代や宿直手当を課税対象から除外
  • 幼稚園代、子女用の教材の購入費、研修費を控除対象に追加

年金は、最低保証額の8倍に相当する金額までは所得税は課税されない(注)。2021年3月の年金の最低保証額は月額2万571.44ペソのため、1カ月の年金受給額が16万4,571.44ペソを超えない限り、所得税は課税されない。

大統領官邸の発表によると、個人所得税見直しの恩恵を受ける給与所得者は126万7,000人で、減税の規模は480億ペソとなる。なお、個人所得税による税収の減少を法人所得税で穴埋めするとみられ、法人所得税率の見直しも並行して進められている。

4月6日付の国営テラム通信によると、年間所得500万ペソまでが25%、2,000万ペソまでが30%、それ以上は35%に所得税率を改める方向で検討が進んでいる。2020年まで、法人所得税率は所得の金額にかかわらず一律30%だったため、今回の見直しにより中小・零細企業は減税、大企業は増税となる見込みだ。

政府は今回の減税について、「中間層や年金生活者の税負担を減らすことで、インフレにより落ち込んだ購買力を回復させる」としているが、2021年10月に実施予定の中間選挙をにらんだ動きとみる向きもある。

(注)改正前は、6倍相当までだった。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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